老眼と思っていたら大間違い
見にくい、見え方に違和感がある、眼が疲れやすくなったなど、中年になるとよくある症状ですが、これを加齢による老眼の始まりとばかり思っていたら大違い!
見落としたり手遅れになりやすい中年に多い眼の病気があるといいます。
病気が何かを考える前に、まずやるべきことは、本当に老眼の始まりなのかどうかを、きちんと確認することです。老眼の特徴を正確に理解していない人が結構います。
- 「遠くは見えるが、近くは見にくい」なら老眼
- 「遠くも近くも見にくい」なら老眼ではない
ここからが大事で、老眼でなければ、見え方をチェックします。だれかの顔を見たとき、顔も手も周囲の風景もすべてがぼんやりと見えるときは、白内障を疑います。そうでなければ、次に挙げるものが考えられるでしょう。
- 物の中心がかすんで見える
- 人を見たとき、手や周囲は見えるが顔の中心がかすんで見える場合、網膜の中心に水がたまって網膜が腫れる中心性漿液性脈絡網膜症、あるいは米国では中途失明の原因第1位になっている黄斑変性の疑いがあります。黄斑変性は進行性の病気で、放っておくとどんどん悪化していき、失明に至る。ただ、物の中心がかすむが周囲は比較的よく見えるので、深刻に思わず、病院になかなか行かないケースも珍しくないというので、要注意。中心性漿液性脈絡網膜症は視力が大幅に落ちる病気ではありませんが、ゆがんで見えるなどの後遺症が出ることもあるので、やはり早く専門医を受診した方がいいでしょう。どちらの病気も片目だけに症状が出ることが多い。見え方に違和感がある、などと感じたときは、片目ごとに見え方を確認することが必要です。
- 視界の上、あるいは下がかすんで見える
- 下方(上方)はよく見えるのに、上方(下方)がかすんで見えるときは、網膜静脈閉塞症が考えられます。名前の通り、網膜の静脈が血栓で閉塞する(詰まる)病気で、動脈硬化が関係しているので、高血圧や糖尿病の人はリスクが高い。残念ながら、治療をしても、落ちた視力を完全に回復させるのは難しいでしょう。これも片目に症状が出るので、両目ではなく片目ごとの見え方を確認しましょう。
- 上方から徐々に見えなくなってきた
- 網膜剥離(はくり)です。「上からカーテンが下りてきたみたいに、少しずつ見えなくなった」と表現する患者さんがいましたが、この症状があったら、一刻も早く病院に行かなければなりません。あれよあれよという間に症状が進み、1カ月以内で完全失明してしまうこともあるからです。網膜剥離は名前はよく知られているが、症状を把握していない人が多いせいか、病院に来たときは手遅れ、ということもあるといいます。
中年になり、眼の異常を老眼とばかり決め付けて、後回しにしていると大変なことになりかねないので注意が必要です。